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ベトナム企業は今、大きな転換点に立っている

最近、私たちは世界の経済構造そのものが、静かに、しかし確実に変わりつつあることを実感する場面が増えてきました。
「環境対応はコストなのか、それとも競争力なのか」
皆さんは、この問いにどう向き合っているでしょうか。

かつては一部の先進企業や環境意識の高い層の話だった脱炭素の議論が、いまや国境を越え、サプライチェーン全体を巻き込む“現実的な経営課題”として突きつけられています。
その象徴とも言えるのが、EUで本格化しつつあるCBAM(炭素国境調整メカニズム)やEUDR(森林破壊防止規則)です。

(引用元:Viet-Kabu「ベトナム企業、EU環境規制とカーボン価格上昇で転換急務に」
https://www.viet-kabu.com/news/unlisted/251204172343.html)

EUは、域内企業だけでなく、EU市場に製品を輸出するすべての企業に対して炭素排出量や森林破壊リスクへの対応を求め始めています。
これは単なる「環境規制」ではありません。
価格・競争力・市場アクセスそのものを左右するルール変更す。

ベトナムは、製造業を中心に世界のサプライチェーンで重要な地位を築いてきました。
しかし同時に、電力構成や土地利用、トレーサビリティの面では、国際基準とのギャップも指摘されています。

世界的にカーボン価格が上昇する中、
「排出量を把握していない」
「証明できない」
という状態は、もはや経営上のリスクそのものです。

この変化は、避けられない外圧として語られがちですが、私はそこに別の側面を見ています。

私はこれまで、国や制度、業界の枠を超えた多くの議論に関わってきました。
その中で確信するようになったことがあります。

ルールが変わるとき、市場は必ず再編される。
そして再編期には、必ず「先に動いた者」にチャンスが生まれる。

脱炭素や環境規制は、確かに短期的には負担を伴います。
しかし見方を変えれば、
「真剣に取り組んできた企業が正当に評価される時代」
がようやく始まったとも言えるのではないでしょうか。

特にベトナムには、

若い労働力

成長意欲の高い企業

森林や自然資源という大きなポテンシャル

があります。

これらを国際基準に沿った形で価値化できれば、
単なる下請けや低コスト生産拠点から、
“選ばれるパートナー”へと進化する可能性があると、私は考えています。

重要なのは、規制に「追いつく」ことではありません。
最初から国際市場を前提に、事業と仕組みを設計し直すことです。

たとえば、

排出量を測定し、開示できる体制を持つこと

森林や土地利用を、国際的に通用する形で証明すること

カーボンクレジットなど、市場メカニズムを活用すること

これらは「環境対策」ではなく、
将来の収益性と持続性を高めるための経営判断だと私は思います。

私自身、完璧な答えを持っているわけではありません。
しかし、少なくとも一つ言えるのは、
立ち止まることが最大のリスクになりつつあるという事実です。

いま私たちは、
「変化を恐れる側」に立つか、
「変化を設計する側」に立つか、
その分岐点にいます。

EUの環境規制やカーボン価格の上昇は、
確かに厳しい現実を突きつけます。
しかし同時に、
より誠実で、持続可能な経済へ移行するための入口でもあります。

この変化をどう捉え、どう活かすのか。
正解は一つではありません。
だからこそ、私はこのテーマについて、
多くの方と考え、語り合い、共に次の一手を探していきたいと思っています。

未来は、突然やってくるものではありません。
静かな意思と、小さな選択の積み重ねによって形づくられるものです。
その一歩を、今ここから踏み出す価値は、確かにあると私は信じています。

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