足で稼ぐという原点に立ち返る
最近、私たちはあらゆることをオンラインで完結させられる時代に生きていると実感します。
ミーティングも、商談も、学びも、情報収集すらも、スマートフォン一つで成立する。とても効率的であり、確かに便利です。
しかしその一方で、私はふと問いかけたくなります。
——本当にそれだけで十分なのだろうか、と。
オンラインがもたらした豊かさと、失われつつあるもの
オンライン化が進む社会は、距離や時間の制約を超えて人と人をつなぎ、膨大な情報を瞬時に得られる環境を生み出しました。
これは人類にとって大きな進歩であり、私自身も日々その恩恵を受けています。
けれども同時に、「情報の均質化」という課題が存在します。ネットに並ぶ情報は、多くが整理され、加工され、同じ言葉で語られるようになります。
すると、どこか“現場の温度”や“人の息づかい”が削ぎ落とされてしまうのです。
ビジネスの現場であればなおさら、数字やデータだけでは掴めないものがあります。現場に足を運び、人と直接会い、空気を感じ取ることでしか得られない「生きた情報」があるのです。
私自身の体験からの確信
私が強く実感したのは、ある事業で全国の企業を訪ね歩いた時でした。
事前に調べた情報や資料からは「こういう状況だろう」と予測していたのですが、実際に足を運ぶとまったく違う現実がそこにありました。
現場に立って初めて、経営者の表情から感じる切実さや、社員の会話ににじむ課題感が伝わってきたのです。データでは語られない「本音」や「未整理の問題意識」が、そこには確かに存在していました。
この経験を通して、私は「足で稼ぐことの価値」を再確認しました。
効率の良さだけを追いかけると、見落としてしまうものがある。
むしろ泥臭く、非効率に見える行動の中にこそ、未来をつくるための本質的な情報が潜んでいるのだと。
私の信念と描く未来
私は、これからの時代に必要なのは「オンラインとリアルの融合」だと考えています。
オンラインの効率性と拡張性は大きな力ですが、それを活かすためにはリアルで得られる生々しい情報や人の感情を欠かすことはできません。
つまり、未来を切り開くためには 「机上の戦略」と「現場の気づき」 を結びつけることが不可欠です。
私は、どんなに社会がデジタルに傾こうとも、自分の足で現場に出向き、人の声を聴き、そこで得た学びを事業に反映させていくことを信念としています。
読者の皆さまへ
今この瞬間も、私たちは画面越しに世界とつながっています。けれど、ほんの少し勇気を出して現場に足を運んでみると、オンラインでは触れられない価値に出会えるはずです。
それは、人の温かさかもしれませんし、地域の歴史や文化かもしれません。あるいは、一見無駄に思える会話の中から生まれる新しい発想かもしれません。
私はこれからも、自分の足で動き続け、そこで得た確かな手応えを社会へ還元していきます。
そして、読者の皆さまとも「オンラインだけでは出会えない気づき」を共有し、未来を一緒に育てていけたらと願っています。