仕事する上で一番大事なのは義理と人情
最近、効率や成果ばかりが求められる社会の中で、「人としてどうあるべきか」という問いを、改めて考えることが多くなりました。
AIや自動化が進み、データと合理性が仕事の判断軸になっていく時代。
けれど私は、そんな時代だからこそ「義理」と「人情」が、最も大切な価値だと思うのです。
■ 背景にある“無機質な仕事”という課題
現代のビジネスは、スピードと効率を追求するあまり、どこか人の温度を失いつつあります。
取引先も、社員も、数字の一部として扱われ、結果だけがすべてだという空気が蔓延している。
確かにそれは一見、合理的に見えます。しかし、その裏では人と人との信頼が薄れ、長期的な関係性が築けなくなっているのではないでしょうか。
「この人となら一緒にやりたい」
「この人のためなら頑張りたい」
そう思える関係が、仕事の原動力だった時代が確かにありました。
私は、それを“古い価値観”とは思いません。むしろ、これからの時代にこそ必要な“人間らしい資本”だと感じています。
■ 私の信念:「義理と人情」は、最強の信用通貨
私自身、起業してから多くの人に助けられながら生きてきました。
ビジネスの世界には、ルールも戦略もありますが、最終的に物を動かすのは“人の心”です。
あるとき、取引先との難しい交渉がありました。
条件的には他社の方が有利でしたが、最終的に選ばれたのは私たちのチームでした。
理由を尋ねると、その担当者はこう言いました。
「あなたたちとなら、安心してやれると思った」と。
その言葉が、何よりも嬉しかった。
義理を通し、人情を尽くす。
相手に「この人、信じられる」と思ってもらえた瞬間こそ、ビジネスの真価だと確信したのです。
義理とは、筋を通すこと。
人情とは、相手の心を汲むこと。
この二つが交わるところに、本物の信頼が生まれます。
それはお金や肩書では買えない「信用」という、最強の資産です。
■ これからの時代を生きるヒント
テクノロジーがどれだけ進化しても、結局のところ、ビジネスは“人対人”です。
だからこそ、私は次の三つを意識して行動しています。
1,約束は必ず守る。
義理を欠いた瞬間、信用は一瞬で崩れます。
2,相手の立場で考える。
人情とは、相手の痛みを想像することです。
3,損得よりも「筋」を選ぶ。
目先の利益より、長期の信頼を優先する。
結果的に、それが一番の近道になります。
遠回りに見えても、誠実さは必ずどこかで回り回って、自分の元に返ってくるものです。
■ 義理と人情がつくる未来
数字やスキルだけでは、人の心は動きません。
どんなに技術が発達しても、最後に人を動かすのは「信頼」や「温かさ」です。
義理と人情を大切にする人が増えれば、社会全体の空気も変わるはずです。
私はそう信じています。
義理を貫き、人情を忘れない。
その積み重ねこそが、どんな変化の時代にも通用する、人間の強さだと思うのです。

